多拠点滞在中に子どもが急病・誤飲 緊急時の対応と連絡先
多拠点生活を送る中で、お子様の急な体調不良や予期せぬ事故は、特に慣れない土地では大きな不安を伴うものです。外出先や滞在先で、お子様が急病になったり、何かを誤って口にしてしまったりした場合、どのように対応すれば良いか、事前に把握しておくことは非常に重要です。
このページでは、多拠点滞在中に発生しうるお子様の急病や誤飲といった緊急事態に対し、落ち着いて適切な対応をとるための情報、および役立つ連絡先や医療機関へのアクセス方法についてご説明します。
子どもの急病・誤飲が発生した場合 まず確認すること
お子様の急な体調変化や誤飲に気づいたら、まずは落ち着いてお子様の状態を観察することが大切です。以下の点を迅速に確認してください。
- お子様の様子: 意識はあるか、呼吸は安定しているか、顔色、体温、全身のけいれんの有無など、具体的な症状を確認します。
- 症状がいつから始まったか: 症状の経過を把握します。
- 誤飲の場合: 何を、どれくらいの量、いつ頃誤飲したか、容器や残り物があれば確認します。意識はあるか、せき込んだり、吐き気やおう吐があるかなども観察します。
- 既往歴: お子様のアレルギーや持病の有無、普段服用している薬などを確認します。
救急車を呼ぶべきか判断に迷う場合
お子様の状態を見て、すぐに救急車を呼ぶべきか判断に迷う状況があるかもしれません。そのような時は、専門家のアドバイスを求めることができます。
- 救急安心センター事業 (#7119): 急な病気や怪我をした際に、医療機関を受診すべきか、救急車を呼ぶべきか迷った場合、医師や看護師、相談員に電話で相談できます。対応時間は自治体によって異なりますので、滞在先の自治体の情報をご確認ください。
- 子ども医療電話相談 (#8000): 夜間や休日に、お子様の急な病気に関して、医師や看護師に電話で相談できます。全国どこからでも利用できますが、対応時間は都道府県により異なります。
これらの相談窓口を利用することで、適切な受診先(救急病院、休日夜間診療所など)の案内を受けることも可能です。
救急車を呼ぶ必要があると判断した場合
お子様の意識がない、呼吸が苦しそう、全身のけいれんが続いている、大量に出血しているなど、生命に関わる可能性のある場合は、迷わず119番に通報してください。
119番通報の際のポイント:
- 場所を正確に伝える: 滞在先の住所、目印になる建物などを具体的に伝えます。慣れない場所では、付近の看板や建物の名前、交差点名などを確認しておくと役立ちます。
- 状況を簡潔に伝える: 「子どもの急病です」「子どもが〇〇を誤飲しました」など、何が起きたかを伝えます。
- 子どもの状態を詳しく伝える: 年齢、性別、意識、呼吸、具体的な症状(発熱、おう吐、けいれん、誤飲したものなど)を伝えます。通報中に救急隊員から指示がある場合はそれに従ってください。
救急車を待つ間に準備すること:
- 健康保険証、各種医療証
- お薬手帳(服用中の薬がある場合)
- 母子健康手帳
- 現金(医療費や交通費として)
- 誤飲した場合は、誤飲したものやその容器、吐いたものの一部(可能な範囲で)
医療機関を受診する場合
救急車を呼ぶほどではないが医療機関の受診が必要と判断した場合、滞在先で診療可能な医療機関を探す必要があります。
- 休日・夜間急患センター/当番医: 多くの自治体では、休日や夜間に受診できる医療機関を案内しています。滞在先の自治体のウェブサイトや、消防庁のウェブサイトにある「全国版救急受診アプリ(Q助)」などで情報提供が行われている場合があります。
- 医療情報ネット: 厚生労働省が運営する医療情報ネット(旧称:医療機関検索サービス)でも、全国の医療機関や薬局の情報を検索できます。
医療機関受診時の注意点:
- 必ず健康保険証、各種医療証を持参してください。
- 症状やこれまでの経過を医師に正確に伝えてください。
- 服用中のお薬がある場合は、お薬手帳を見せるか、薬剤名を伝えてください。アレルギーについても忘れずに伝えてください。
特に注意が必要な症状や状況
- 誤飲: 特にタバコ、洗剤、漂白剤、医薬品、灯油などを誤飲した場合は非常に危険です。無理に吐かせようとせず、何をどれだけ誤飲したかを確認し、直ちに医療機関に連絡するか救急相談窓口に相談してください。
- けいれん: 熱性けいれんか、そうでないかに関わらず、けいれんが止まらない場合や、意識が戻らない場合は救急車を要請してください。
- 激しいおう吐や下痢: 脱水症状に繋がりやすく危険です。特に乳幼児は注意が必要です。
- 呼吸が苦しそう: 肩で息をしている、ゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴がある場合は、気道を確保しつつ救急対応を検討してください。
日頃からの準備と家族での共有
緊急時に慌てないためにも、多拠点生活においては事前の準備が大切です。
- 滞在先の自治体の緊急連絡先や休日・夜間急患センターの情報を事前に調べて控えておく。
- お子様の保険証、お薬手帳(お薬の説明書含む)、母子手帳などを、すぐに取り出せる場所にまとめておく。必要に応じてスマートフォンの写真データとして保存しておくことも有効です。
- かかりつけ医の連絡先、お子様のアレルギーや持病、服用中の薬に関する情報をメモしておき、家族で共有しておく。
- 家族で緊急時の連絡方法や集合場所について話し合い、取り決めておく。
まとめ
多拠点滞在中に、お子様の急病や誤飲といった緊急事態が発生する可能性はゼロではありません。不安を感じることは当然ですが、事前の情報収集と準備をしておくことで、いざという時に落ち着いて適切な行動をとることができます。
お子様の安全を守るためにも、この記事でご紹介した相談窓口や対応方法、準備リストなどを参考に、ご家族で確認しておいてください。