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多拠点滞在中に熱中症・低体温症 子どもを含む家族で知っておくべき対応

Tags: 熱中症, 低体温症, 応急処置, 緊急医療, 子育て, 多拠点生活

多拠点での生活や移動中には、慣れない気候や環境の変化に直面する機会が増えます。特に夏場の熱中症や冬場の低体温症は、誰にでも起こりうる緊急事態です。ご自身やご家族が、滞在先でこのような症状に見舞われた場合、どのように対応すれば良いのか、落ち着いて対処するための情報をまとめました。

熱中症になった場合の対応

熱中症は、高温多湿な環境下で体内の水分や塩分バランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなることで起こります。軽度から重度まで様々な症状が現れます。

症状

応急処置の手順

  1. 涼しい場所へ移動する: エアコンの効いた室内や、風通しの良い日陰に移動させます。
  2. 体を冷やす: 衣服を緩め、濡らしたタオルや冷却材で首の周り、脇の下、足の付け根など太い血管が通っている部分を集中的に冷やします。うちわや扇風機で風を送ることも有効です。
  3. 水分と塩分を補給する: 意識がある場合は、経口補水液やスポーツドリンク、塩飴などを摂取させます。大量に汗をかいている場合は、水やお茶だけでなく、塩分も同時に補給することが重要です。意識がない場合や、水分・塩分が自分で摂取できない場合は、無理に飲ませてはいけません。

医療機関への相談タイミング

低体温症になった場合の対応

低体温症は、体が熱を失う速度が熱を作り出す速度を上回り、体の中心部の体温が著しく低下した状態です。冬場だけでなく、夏場でも水辺のレジャーなどで起こる可能性があります。

症状

応急処置の手順

  1. 暖かい場所へ移動する: 寒さや風雨を避けられる、乾燥した暖かい場所に移動させます。
  2. 濡れた衣服を着替えさせる: 濡れた衣服は熱を奪います。速やかに乾いた暖かい衣服に着替えさせます。
  3. 体を温める: 毛布などで体を包み、保温に努めます。首、脇の下、足の付け根などをカイロなどで温めることも有効ですが、熱すぎるものを直接皮膚にあてないように注意が必要です。意識があれば、砂糖を入れた温かい飲み物(カフェインやアルコールは避ける)をゆっくり飲ませます。体を急激に温めすぎるのは危険な場合があるため、ゆっくりと体温を戻すことを意識してください。

医療機関への相談タイミング

子どもに関する特別な注意点

子どもは大人に比べて体温調節機能が未熟であり、体調の変化を自分で伝えられない場合もあります。保護者が周囲の環境や子どもの様子をこまめに観察し、早期に異変に気づくことが非常に重要です。

多拠点滞在ならではの準備と心構え

慣れない土地では、どこに医療機関があるか、相談窓口はどこかなど、情報がすぐに得られない場合があります。

まとめ

多拠点滞在中に熱中症や低体温症などの緊急事態に遭遇することは、大きな不安を伴います。しかし、事前に症状や応急処置の方法を知り、必要な連絡先を確認しておくことで、落ち着いて適切な対応を取ることができます。ご自身の体調管理はもちろんのこと、特に体温調節機能が未熟な子どもの様子には常に注意を払い、家族全員で安全に多拠点生活を送るための準備を進めていきましょう。